准看護師制度の概要
准看護師とは、正看護師が国家資格であるのに対して、都道府県知事認可の看護資格となっています。
准看護師になるには中学校卒業後に高校の衛生看護科へ進学するか、あるいは准看護師養成学校で2年間学ぶこととなります。
年々、准看護師の数は減少していますが、リーマンショック以降の雇用情勢の不安に伴い、ニーズが高く短期間で取得が目指せる准看護師を目指す人が増加しています。
准看護師は、正看護師と違って医師または正看護師の指示がないと看護業務ができないなどの制約がありますが、実際の業務内容に差はありません。
2012年の統計によれば、准看護師の数は、40万人程度となっており、正看護師の約100万人よりも少ないですが医療業界で多くの人たちが活躍しているのが分かります。
准看護師の廃止問題
准看護師は、養成課程の2年間教育を受けて都道府県の試験に合格すれば免許が交付されますが、昨今の医療技術の進歩による高度化・複雑化には2年間の教育内容では十分な知識を得るのが不十分と指摘されています。
また、准看護師の免許を取得した後に進学して正看護師資格を取得する人も多く、年々数は減少しているので、准看護師の養成学校を廃止して今後は正看護師の養成に一本化する議論が行われています。
しかし、安い人件費で雇える准看護師養成所の運営している日本医師会は制度廃止に反対しています。
さらに、看護師不足という問題からも准看護師問題は議論が先送りになっている状態ですが、一部の県や日本看護協会からは准看護師制度の廃止が支持されています。
准看護師の将来性
医師会が准看護師の制度廃止に反対しているため、直ぐに制度の廃止が決定されることはないと思います。
しかし、神奈川県が2015年度から准看護師養成学校を廃止するなど、免許を付与する側の都道府県が動き出しているため、将来的には准看護師がなくなるかもしれません。
既に准看護師の免許を持っている人は、看護師不足が問題となっているなかで、資格停止となることは考え難く、路頭に迷う心配はないでしょう。
准看護師養成学校が廃止され、将来的に新たな准看護師が誕生しなくはなると思いますが、現在活躍中の人たちは保護されるはずです。
ただし、看護協会も看護師資格の統一化を希望し、高度かつ複雑化している医療に対応できる看護師養成を望んでいます。
したがって、今後看護師を目指す人であれば、正看護師の資格を取得しておくことをおすすめします。