男性看護師は徐々に浸透中
看護師の9割は女性が占めている職業ですが、最近では多くの男性も活躍している業界です。
男性看護師は現在6万3千人います。きっかけは、1985年に成立した男女雇用機会均等法にまで遡り、そして看護大学や看護学部の設置拡大に伴い、男子学生の受け皿が増えたことにあります。
また、リーマンショック以降、雇用情勢が厳しくなったことも、男性が安定的な看護職を目指すきっかけとなっているようです。
看護業務には男性として強みを発揮できる機会もたくさんあり、実際男性看護師を必要としている職場はたくさんあります。
実際、男女区別することなく募集している求人も多く、男性でも転職することは十分可能です。
男性看護師のメリット
男性看護師の最大のメリットは、女性に比べてライフサイクルに影響され難いことです。
結婚や出産に左右されないため男性の離職率は低く、長期勤務が可能な点が医療機関としても魅力とされています。
さらに、重篤の患者さんや、高齢の患者さんを多く扱う病院では介助のため力仕事が必要とされ、男性看護師は現場で重宝されています。
実際、患者さんが暴れることが多い精神科では体力や力強さが必要なため、昔から多くの男性看護師が活躍しています。
また、医療の発達に伴う高性能の医療機器の操作や扱いも、機械に強い男性看護師のほうが得意と言われています。
男性患者からは「話しやすい」「シャワーの介助が恥ずかしくない」などの肯定的な意見も多く聞かれるなど男性看護師が必要とされる現場はたくさんあります。
男性看護師の今後の展望は明るい
男性看護師を目指す人が増加し、認知度も高まった影響で少しずつではありますが活躍の場が広がってきています。
少子高齢化や男性看護師の認知度上昇に伴い、慶応大学病院などをはじめ男性看護師を積極的に採用し始めている医療機関も徐々に増えてきています。
さらに、最近では、男性看護師だけの親睦会などを病院内に設置して、お互いの悩みや相談などを分かち合える場を提供している病院も増えており、雇用環境の改善に一役かっています。
厚生労働省は平成25年に必要な看護指数は約191万~199万人と推定し、最大約20万人が不足する計算となっており、不足解消に伴う雇用環境の改善が急務と叫ばれているなか、男性が活躍できる環境も拡大していくと思われます。